貧乏生活、もとい節約生活を送る自分にとって、1800円は高額なわけです。
これ見てみたいなぁと思う映画があっても、通常料金は1800円。
アメリカとかだと700円程度で見られるのに、日本はなんで1800円なんでしょうか。
その理由は、日本の特殊な興行システムにあるそうです。
日本の特殊な興行システム
映画業界は、「製作」「配給」「興行」の3つに分けられます。
- 「製作」は映画製作など映画そのものを作る人たち
- 「配給」は映画配給や宣伝など映画を配る人たち
- 「興行」は映画館となります
日本以外の国の場合、これら3つがそれぞれ独立していますが、日本の場合だと「製作」と「配給」そして「興行」までもが三位一体となっているそうです。
例えば、映画館が「アリス」という映画と「ジョン」という映画を上映したとします。
「アリス」は1100円で配給され、1500円で上映した。→400円の儲け
「ジョン」は1800円で配給され、1600円で上映した。→200円の損失
映画館としては、トータルではプラスなので、問題ないわけです。
しかし、上記のように三位一体 (その映画についての運命共同体)の構造となっていると、「ジョン」の映画の「製作」「配給」までも200円の損失を被ることになります。
逆に「アリス」の儲けも「製作」「配給」に徴収されてしまい、映画館としては単独で採算が取れなくなってしまいます。
そのため、本来なら「興行」(映画館)が自由に設定できるはずの価格を独断で決めることが難しい状態になっているのです。
なぜ1800円なのか
ではなぜ1800円という価格なのでしょうか。
調べてみると、1985年(30年前)は映画料金は1500円でした。
それが年々上がり、1995年から現在の1800円となりました。
消費者物価指数等に照らし合わせ、適正価格を設定されている様子です。
つまり、その時代時代の適正価格が設定されているはず、と。
カルテルに抵触しないのかといった意見もあるようですが、その確たる証拠が何も無く、1800円という価格が偶然一致しているといった見解になっているようです。
映画料金のメカニズム
http://www7b.biglobe.ne.jp/~fujii0802/suzukikenta1.pdf
そうなると当然、今後料金が上がる可能性もあるわけです。
将来、映画が2000円になったとしたら、それでも観に行きますか。
自分だったらおとなしくレンタルショップに並ぶのを待っちゃいますね。
まとめると
現在の価格の1800円だって十分高額です。当然、払う以上はハズレと言われる作品は観たくないので、話題作ばかりを観ることになります。そうなると人気のない作品にはお金が流れず、ますます大手ばかりが儲ける負のスパイラルに陥っていきます。
気軽に映画を観られる環境を作るためには、映画館だけではなく根幹にある日本独自の興行システムから変えていく必要があるように思います。