男性が育休を取るのは是か非か

こう書くと、良いことに決まってると言われそうですね。
実際、自分も男性の育休には賛成です。

昔に比べると広く浸透してきたと思われる男性の育休ですが、実際に取るとなると難しいのが現状です。

一般の会社の場合でも、
「いつまでも休んでいればいいじゃん」
「戻ってきたら居場所が無かったりして」
などなど石頭な上司、同僚の意見も紹介されていました。

考え方自体は旧石器時代のものです。
「絶滅してしまえ!」
なんて声も聞こえてきそうですね。

一般の会社員の育休については「取った方がよい」「取れるべき」で異存はないと思います。

では。
その人しかできない手術の技術を持った医者が育休を取ったら。
会社の社長が育休を取ったら。
一国の首相が育休を取ったら。

少し前に国会議員の育休についてニュースになっていました。
「議員の育休なんて前例がない、前例がないことはするな」
「休んでも政治が滞らない国会議員であれば、初めから要らない」
などなど、テレビだと結構過激な意見も出ていました。

たしかに、国会議員の数を減らすという意見には賛成です。
(だって議員のみなさん、月給130万円分も働いてないですもん)

前例がないけれども

前例がないには2つの意味が含まれると思います。

  • 未知の領域だから踏み込むのが怖い
  • そもそもタブーなので誰もやったことがない

いずれにしろ、どんなことでも最初にやる人は前例のないところに踏む込むわけです。
最初に前例を作る人は、多かれ少なかれ周りから反対され、叩かれるわけです。

しかし、前例を作ろうとする人は新しいことをやろうとしている人です。
すなわち、前例がないことをやる人は、チャレンジ精神旺盛な人だと自分は考えます。
(怖いもの知らずとも言うかも)

そういう意味では非常に評価できると思います。
前例なんて作ったもん勝ちですからね。

ただその一方で、件の国会議員の発言自体は少し軽率だったんじゃないかなと思います。
後先のことを考えていないというか。

国会議員には育児休暇という制度がないため、休暇中は給料(歳費)は満額支給されるそうです。満額の給料をもらいながらの育児休暇となると、庶民の待遇とはかなりかけ離れた状態になるのではないでしょうか。

先にその点を解決した上での育児休暇宣言であれば、「この人さすが」となったかもしれませんが、現時点だと「俺、偉いだろ」アピールにしかなっていない気がします。

勢いだけでこなして良い職業ではないので、そのような方が政治に参加しているのかと思うとちょっと不安になりますね。

仮に休んだらどうなる

自分の意見として述べさせてもらえるのであれば、「休んでも何とかなる」と思います。
社長が休んでも副社長がいるでしょうし、首相が休んでも副総理がいます。

たしかにトップがいないと困ることはあると思いますが、属人化を避けるために組織という構成があります。
何もかもがトップの判断を仰がなくてはならない、いなくてはならない、であれば、『副』と名が付く役職は全て不要のはずです。

どんなに偉い人であろうと、突発の事故や病気で死ぬことはあるわけなので、それと同じように考えればいいだけなんじゃないかなぁと思う次第です。

逆に言うと、自分にもしもの時があっても困らないようにしておくのが、一流の仕事人だと思いますね。

結局育休は取れるのか

議員の場合、長期に休む時は申請連絡を毎日しないといけないそうです。
だとすると現状のままだと育児に集中するための育休を取るのは難しいでしょうね。
でも育休を取ろうとする姿勢は立派、評価に値すると思います。

休む本人だって、申し訳ないと思いつつ申請しているわけですからね。
上司の方には暖かく見守っていただきたいものです。

組織の制度自体はもちろんのこと、世論さえも変えていかないと男性の育休はまだまだ難しいのが現状ではないかと思います。

まとめると

『個人の意見としては賛成だけど、実際に自部門で部下が休まれると困る』
というのが会社の本音だったりするのかなと考えます。

育児休暇自体は世論は認めている、けれどもそれに制度が追いついていない。
男性の育休自体は是、しかし制度が追いついていないため非となりうる場合が多い。
社会の隅々まで行き渡る(=各組織内で制度が徹底される)にはまだまだ時間がかかると思います。

「育休取ります」と言った時に、「何言ってるんだ当たり前だろ」みたいなやりとりが普通のこととされる日が来ることを願っています。

それこそ、是か非かなんて質問自体がナンセンスとなるような。

価値観なんて多種多様。
自分にとっての最優先は何ですかを考えさせてくれる本。

仕事の質を落とさずに、仕事と育児が両立できると思っている人へ。

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